ビットコインのしくみ

ビットコインに似ているのは、古代メソポタミアの神殿が人々の財産の記録を管理していた話である。いまどき神殿の代わりはインターネットで、インターネット中のたくさんの計算機に、誰がいくら持っているかの記録がコピーしてある。

AさんがBさんにビットコインを渡すには、「AからBにいくら渡す」みたいな文言に電子署名してインターネット中のたくさんの計算機に流す。というか実は、「誰がいくら持っている」という記録は無くて、「どういう電子署名をすればいくら使える」と書いてあるだけなので、気をつけないと盗まれる。

さて、インターネットのあちこちにたくさん記録があると、消えにくくてよいのだが、情報が地球一周するのに数分の一秒は遅れてしまうので、あちこちの記録は、どうしてもずれてしまう。あちこちで記録がずれると、会計的につじつまが合わないことができる。たとえば、もともと残高が100しかなかったAさんが、Bさんに100あげましたとか、Cさんに100あげましたとか、いろいろな相手にいろいろ言って、ある計算機の記録ではBさんに渡ったことになり、別の計算機の記録ではCさんに渡ったことになったら、白黒つけてどちらかの記録が間違っていることにしないと、つじつまが合わない。

白黒つけるには、神殿を一つ決めて正史の編集をまかせればよいのだが、その神殿を潰されると仕組みがもたなくなる。そこで、あらかじめ正史の編集者を決めておく代わりに、くじびき大会をして当たりを引いたら正史の編集をするというふうになっている。あとは、正史の編集者にごほうびが出たり、いろいろある。