Haskell Financial Data Modeling and Predictive Analytics

Haskell Financial Data Modeling and Predictive Analyticsという本を読んだ。著者のブログがけっこうおもしろそう。板の温度とか。板って、売り注文と買い注文が並んでいる板ね。

この本は、Haskellにも数式にも抵抗が無ければ(新しいプログラミング言語を半日でだいたい使えるという人は問題ない)眺めることはできて、どうせ詳細はコードを見たり他の文献をあたったりしなくてはならないような本であるが、入口としてはやくにたつ。この入口が、この世界の一番いい景色をみせてくれるのかは、私にはわからない。話が飛びすぎだろうという感じもする。しかし、この本に登場するいろいろなモデルやHaskellのテクニックを漁っていくと面白いことがたくさん出てくるのは確かである。著者はQuantlibというものをHaskellに移植している人で、いろいろと書きたくなったようだ。

扱われているquants的話題の一部。これらについては無知なので、扱っている話題がいい具合なのかは論評しがたい。

  • Grubb’s outlier detection
  • tick intervalのモデル
  • secantを使った零点探索をつかって、最尤推定
  • ARMA
  • Kalman filter
  • いろいろなvolatility estimator
  • trading dayが252日あるので、252の平方根が出てくる

それから、扱われているHaskell的話題はこのようなもの。まあ知っておいて、こんど使えるときにつかってみればいいのでは。

  • attoparsec
  • quasiquote
  • quickCheck
  • HMatrix経由でLAPACKとかを叩く
  • criterionでのベンチマーク
  • parallelなHaskell
  • cabalのsandbox機能

別にどちらの人にどちらを説明するというわけでもなく、こういうことがしたくてこういう道具を使うとなんかできますということが本には書いてあって、あとはおまけのコードをみればよいという仕掛けのようだ。

さて、この本のアプローチのよいところはなにかというと、数式とコードが近いところかもしれない。