Oberwolfachの数学研究所

Oberwalfachの数学研究所というところに来ている。近くの駅から15分ほど車で山に入ったところである。狭い道を飛ばすので怖かった。研究所から谷底をみると家がいくつか見えるけれども、だいたい木が生えた山がみえる。ここにたくさんの数学の本があって、スタインウェイのピアノもあって、ピアノがある部屋の温度と湿度は常に調整されている。部屋の鍵はどこも開いている。あまりに山奥だからだろう。料理がおいしい。水曜の午後はハイキングと決まっている。食事の席は、名前が入ったナプキン袋でもって指定されていて、毎食違う人と話をするようになっている。あらゆるものが最適化されている。だらだらと講義が続かないように、食事に出る時刻は厳密に決まっている。各自の寝室では無線LANがつかえなくなっていて、インターネットを使うためにホールに出ると、人と話をするようにできている。部屋には広い机があって、数学できるようになっている。暖房が暑すぎないのでぼおっとしない。電灯は、位置の調整が極めて容易にできている。ベッドの枕元は、壁が凹んでいて、そこにノートをおいていろいろできるようになっている。

しばらくいると、だんだん体調がよくなってきて、いろいろなことを思いつくようになってきた。図書館をふらふらと歩きまわって、いろいろな本を眺めて、おもしろそうだなあとかこういうのもいいのだなあとか、他の分野の人どうしが話しているときに、こういうことを気にするのだなあと思って、口をはさんだりとか、囲碁を打ったりとか、あほなはなしをしたりとか、ログファイルをtail -fしながらああだこうだ話しているところに割って入ってみたりとか、そういうことをしながら、もちろん本来の目的も果たしているのである。