8月の読書

8月に読んだ本を挙げていく。

プルタルコス 英雄伝 3

戦いとか占いとか政略とかの細かい逸話が延々と続くので、だいたいの内容は忘れてしまった。ただ、象を伴って街に攻め入って大混乱に陥った描写がおもしろかった。「こうして互いに押し合いへし合いして、誰ひとり、誰に対しても自分の力を奮うことができず、さながら釘づけにされて一体となってしまったように、あっちへ揺れたりこっちへ揺り戻したりした」(ピュロス33, 7)

月を見つけたチャウラ

ピランデッロの短編集。

くだらない話が多いが、なぜか読み進めてしまい、全部読んでしまった。風邪を引いていたからだろうか。自分に似た犬が出てきたからだろうか。くだらない話と書いたのは、今でもありふれた話ばかりということで、もしかすると今の自分はこの人が軽々描写できる範囲で暮らしていて、この人は実はすごいのかもしれない。

Henry Kissinger: On China

毛沢東、周恩来、鄧小平らと会ってきたHenry Kissingerが、中国の判断基準を解読した本。孫子の兵法や囲碁の考え方を持ち出して、アメリカ人にはわかりにくかった中国の指導者の判断を説明している。特に毛沢東と周恩来に対して敬意が伺える。合理的でないように見える不思議な判断を、相手の国の特殊な歴史や文化に帰するという論法がちらほら見えるものの、中国の固有の歴史や文化を学びに学んで中国の判断を理解しようと数十年にわたって努力してきたからこそ書けた本だ。

ソ連とベトナムが中国を囲んでいた状況から、アメリカと中国が協力してソ連を取り囲み孤立させる状況に移っていった様子は、本当に囲碁のようであった。

中国からするとアメリカの政治家が国内世論を気にしなければならないこととか、大統領が交代すると外交方針が変わってしまったりするところが、変に見える、特に中国での人権や民主主義という話題についてアメリカ人が意見を述べるのが内政干渉に見えるということも書いてある。