TOEIC 985

このまえ職場でお金を出してくれるというから、TOEICを久しぶりに受けてみた。前回受けたのは大学受験の直後で、925点だった。それから10年ちょっと経って、今回は985点だった。あと一問で満点というところであるが、わからなかったのが二問あったので、毎回受けて毎回満点というところには、まだちょっと距離がある。リスニングの試験で脈絡のないことをいろいろ言われていると、とりとめのないことを考えはじめてしまって、気付くと取り返しがつかなくなっている。

英語はそんなに使えない。

英語にも、日本語でいう「未だ謦咳に接していない」のようなまわりくどい言い回しがあって、そういうのを英語で聞いたことはあるのだが、自分で言えとなると、さっぱりできる気がしない。あと、やはり文化的背景が離れているので、雑談に参加できる率はそんなに高くない。浮世ばなれした話題ほど簡単で、「どうして国境が必要か」という話になったときには、「銃を持ち歩ける国があるから、その人たちがここにくると嫌だなあ」と言ったり、「インターネットの美術館と本物の美術館の違いはなにか」という話では「本物の美術館では絵を破壊できる」と言ったりするけれども、テレビ番組の話とかはわからない。あとあれ、米国の大学受験のときに使うらしい、ラテン語ギリシャ語起源の単語ども、あれをあまり知らない。Wordpower made easyとかを眺めて面倒になってしまった。それから、アメリカ合州国東海岸の早口青年の言うことは、まったくわからない。逆に言いたいことはだいたい言える。

言いたいことがいろいろとあって、整頓しがたい。

  • TOEICの点を目標にしたってどうってことにはならないから、使い道が先にあったほうがいいのでないかと思う。
  • 日本語でわかることは、わりとちょっとであるが、わりとおいしい。英語でわかることは、それなりに多い。中国語やアラブ語がわかると、また変わるであろう。
  • 日本語だけで暮らしているとわからないことが多い
  • duolingo.comは便利で、いま日本語版もつくろうとしているらしい
  • 何十万人の翻訳部隊をつくればスループットは上がるが、レイテンシはあまり減らないので、金融とか生物学とか旬が早い分野ではあまりやくにたたないかもしれない。一方で、数学とか物理とかは、頑張ってよいものだけ選んで日本語にしておけば、けっこうやくにたつのではないか。
  • 日本語だと、どんな連用修飾をどの動詞にかけられるかっていうのが、わりあい簡単なのだが、英語だと動詞ごとにどんな前置詞が続くのかが決まっていたりして、もう動詞ごとに決まり文句を覚えていくしかないのだということを早めに悟ってわりとよかったということ。
  • 紙の辞書をいちいち引くと、辞書を引くめんどくささが記憶するめんどくささに打ち勝って、脳味噌が仕方なく記憶しはじめること
  • Longmanの英英辞典を引いていたら、語義の説明に使われている3000語だかの使い方がわかってきてよかったこと
  • 日本の企業でも若いものは世界中をまわっている人がおおぜいいるのに、どこにいても通用する学問を修めたくせに外国に行くのは学会くらいというのんびりモードでいているのはどうも怠慢で、もっとうごきまわったほうがいいのではないかということ

それはともかく、Journées Francophones desなんとかかんとかという恐しい名前のところに論文を投稿してしまったので、通ったときに備えてフランス語やらないといかんという焦っており、こういう必要に迫られた学習がもっともいいのではないかとおもわれる。