「現代暗号の基礎数理」1

以前ひとに勧められた黒澤馨・尾形わかは『現代暗号の基礎数理』(コロナ社)を読みはじめた。ごろごろ寝転がりながら読んでいたら、4.1まで読み終えた。演習問題は解いていない。なんだか随分と字が大きくて小学校の教科書みたいな体裁の本なのだが、簡潔でいい。証明は省いてあったり書いてあったりする。ぜんぶの証明を見るより技法が端的にわかるところを選んでもらったほうが、私のようないいかげんな者には、ありがたい。

証明が省かれているところは「○○となることが知られている」と書いてある。たとえば、p.13に「[長さnのランダム置換族]P_nは、長さnの疑似ランダム関数族となることが知られている」とか書いてある。ここに、自分のメモが書いてあって、R_nには単射でないものが属していて、P_nには単射しかないのに、どうしてP_nでR_nの真似ができるのかとある。さらに返事が続いていて、elementwiseにしか観察できないからか、と書いてある。選択平文攻撃の定義を読みとばしたようだ。

書いていて、数式をTeXで処理してもらいたくなったので、さっそくブログの仕組み自体をいじる口実ができたのである。